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2007年10月 9日 (火)

卒業生にインタビュー 玉野真一

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新作『チューしてっちゅ』がバンクーバー国際映画祭に招待上映された玉野真一さんに帰国後インタビューしました。(2006年9月)

−映画祭の様子はいかがでした?
日本の作品に限ったことではないですが、ここ数年は、アニメーションの作品が人気です。劇場では上映されないようなアニメーションの作品が、世界的にキているんだなぁと。
−玉野さんの作品はアニメーションではないけれども、言葉ではなく、身体のアクションでお話が進行していて、マンガやアニメーションに近い部分もあると思うのですが、観客の反応はいかがでしたか?
上映中にいろんなところで笑いが起こっていました。ほんとうにどうでもいいようなシーンでも笑っているので、楽しんでくれているのだなぁとは思いますが、作り手としては、あまり信用しないようにしています(笑)。でも、作品をのせてくれるし、気分はいいです。

−客層はどうですか? 日本のように、若い人が中心ですか?
ところがそうでもなくて、年齢や性別関係なく、いろいろな人が見に来てくれます。語句の作品は、今回「クイアー・フィルム」というカテゴリに入りまして、ゲイの人たちばかりかと思ったら、普通の映画のお客さんとあまり変わらなかったですね。年齢もバラバラで。
−今後の作品の展開については?
まだまだいろいろなことがやりたいですね。ただ、根底にあるのは、研究所て課題作品を作っていた時に自分がつかんだものなので、いずれ長編を作ることになるときも基本は変わらないでしょうね。始めは機械のことも何も知らなかったし、はっきりしたねらいもなかったのですが、夏休みに作った作品が僕自身ではすごく面白くなって、自分でも見たことのないものになりました。それで自信をもって、同じスタイルで8ミリ作品を連作していきました。
−イメージフォーラムに来る前には、作品はつくっていたのですか?
全くなかったです。でもイメージはもっていましたね。友達と話をしていたりして膨らんだイメージが、やがて形になったというものです。内輪だけのノリだったものが、映像で形にすることで、初めて作品を見た外部の人にも自分のイメージが「通じるんだ」という実感を持ちました。予想外の反応ももちろんありましたけど。
−今では海外の観客にも通じるようになりましたね。そういえば、映画祭期間中に、次の上映が決まったそうですね。
1回目の上映の後に、香港レズビアン&ゲイ映画祭(www.hklgff.com)のディレクターから、是非招待上映したいという話しをいただきました。ゲイ映画のつもりで作ったのではないのですが、結果的にいろいろな人に見てもらえるチャンスができたので良かったです。 トニー・レインズ(バンクーバー映画祭ディレクター)さんにも感謝しています。
−イメージフォーラム映像研究所では、「実験映画」とか「個人映画」とか、呼ばれ方は様々ですが、メインストリームではない、個人の表現としての映像作品を作る事をねらいにしているのですが、玉野さん自身はそういう意志はあるのですか?
やっぱりありますよ。映像だけではなく音楽やマンガなどもわりとマニアックなものが好みだったので。イメージフォーラムで見た作品はすべて初めて見るものばかりでしたが、すべてが驚きで、影響を受けたと思います。卒業制作の作品でも、「1年でここまでつくれるのか」と驚きました。最初は絶対無理だとおもいましたが、課題作品を作りながら、講師の方にアドバイスをもらって自分のスタイルが見えて来た感じです。 もともとは、僕自身や僕の周りのひとに見てもらいたいと思って作っていました。で、作品が評価されて内外で上映されていくうちに、嬉しい反面、ある時周りを変に意識してしまって自分でも窮屈になってしまったんです。そこで、初心に戻ってまず近い人達を想定して、プライベートな感覚を忘れないようにしようと思います。
−イメージフォーラム映像研究所で、これから映像を作ろうとしている人たちにメッセージはありますか?
イメージフォーラムに来るという人には、オルタナティブであることを意識してほしいと思います。 その意識を徹底して欲しいと思います。映画祭などでは劇映画も自主制作の映画も扱いに全く違いはありませんよ。
−今後の作品の予定は?
今作っているのは、僕の今までの作品すべてに出演してくれた女性の妊娠、出産に関する作品です。いままでにない「記録」の要素が入った作品になりそうですが、根本は変わらないと思います。「赤ちゃん」のパワーそのものと、ずっと同じスタッフで作ってきた僕らなりの、彼女への応援といった、すごくプライベートな作品になると思います。
(聞き手:澤隆志)

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