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2009年1月 3日 (土)

卒業生からのメッセージ:徳本直之

Tokumoto
短編作品『しあわせ』(共同監督:鎌田綾)が2009年のロッテルダム国際映画祭に招待されたイメージフォーラム映像研究所の卒業生、徳本直之さんからのメッセージです。


家族がいて、恋人がいて、友達がいて、何不自由ない二十歳の私は、生きることがとても不自由で孤独だと感じていた。私は窮屈な陸上を離れ、サーフボードから日々水平線を眺める日常を送っていた。波の狭間に漂うことは、いつも私を自由にしてくれた。
しかし、私は大人になり、陸上で生きていかなくてはならなくなった。

当時の私は、皆があたりまえに登っていく大人への階段の下で一人で蹲っていたような気がする。たまたま手にしたパンフレットを見て足を運んだイメージフォーラム映像研究所という場所は、私にとって陸上で始めて自由になれた場所だったように思う。簡単に言うと「なんでもあり」だった。技術が未熟でも、常識にとらわれない発想を評価し、一人一人が監督となり、個々の可能性を広げていて、アンダーグラウンドな匂いのするワクワクする日々だった。そんな中で”映画がフィルムで撮られている”ことすら知らなかった私も、自分にしか出来ないこと、映像でしか出来ないことを模索していた。とにかく全てのエネルギーを作品に注いで走っていた。講師の先生方の言葉からは知識よりも「生き様」を学ぶことが多かった。「講師と生徒」である前に「人と人」としてコミュニケーションができる人間臭い場所だった。それらの経験は卒業後の人生でも、映像制作に関わらず、私の生きる支えとなっています。
かっこ悪くてもいい、自分らしく転がっていこうと思います。


●徳本直之
イメージフォーラム映像研究所23期卒。研究所受講と同時に作品を撮り始める。2003年、鎌田綾(同研究所26期卒)と映像制作ユニット「PASSION FLOWER」を結成。2008年『しあわせ』がイメージフォーラム・フェスティバル2008で寺山修司賞を受賞、2009年ロッテルダム国際映画祭招待。

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