« ジャパン・トゥモロウ審査講評ー西嶋憲生 | トップページ | イメージフォーラム・シネマテーク »

2009年5月17日 (日)

ジャパン・トゥモロウ審査講評ーマティアス・ミュラー

Matthias
こんにちは。実は昨夜(5月5日)、ドイツのオーバーハウゼン国際短編映画祭が終了いたしました。今年のテーマが「unreal asia」というものなんですが、私は現在「real asia」を体験できて大変嬉しく思っています。国や文化の違う人間が作品を審査することを若干心配していたのですが、それは杞憂でした。

みなさんの作品はとてもクオリティが高く、とてもいい作品ばかりでした。国や文化の違い、よりも共通性を強く感じました。私はケルンの大学で先生をしていますが、ケルンの学生も強く惹かれるようなテーマの作品が目立ちました。受賞したすべての作品について語りたいのですが、ここでは、2つに絞ってお話させていただきます。
まず『One Second Rose』ですが、この作品は構造映画や拡張映画が目指したものをさらに発展させた作品で、私たち審査員におおきな印象を残しました。薔薇を撮影した2映画フィルムとそのコラージュで精密に薔薇を表現しています。メディアの持つ繊細な差異を表しながら、ガートルード・スタインの言葉「薔薇は薔薇である」の静かな抵抗、のように私には思えました。『Her Ironical Me』についても、映像とスチル写真という異なるメディアを使用してします。大変エレガントに移動するカメラ、映像と写真、空間と時間、内部と外部、男性の顔と女性の声... これらの要素が映画の中で交錯して、映画をあやふやなものとしていて、また、セルフ・ポートレートというものに疑いを投げかけているところが大変面白く感じました。
多くのすばらしい映画をみせていただき、私も励まされました。中でも、オリジナルなスタイルと、表現する強い意志を感じた『ニコトコ島』が大賞に選出されたことを嬉しく思っています。

|

« ジャパン・トゥモロウ審査講評ー西嶋憲生 | トップページ | イメージフォーラム・シネマテーク »

Image Forum Festival」カテゴリの記事