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2009年5月17日 (日)

ジャパン・トゥモロウ審査講評ー西嶋憲生

Nishijima
皆様、受賞おめでとうございます。また、今回受賞には至らなかった作品も多くあるのですが、今年から、選考方式がノミネート制に変わり、このノミネート作品として上映されるという事自体が一つの「賞」といえると思います。それぐらい、良くできた作品が多く、差がつきにくい審査でした。

私は15年以上前にも審査員をやりましたが、それに比べて今年の審査は非常に難しかったです。そこで、選考の基準として、どの映画祭でも賞を取れる作品よりも、我々3人の審査員であったから選ばれる作品、ということで選定いたしました。どの作品にもそれぞれいいところがありました。
私自身の選定の基準としては、こういう映画祭の大きなスクリーンに投影されて成り立つ作品、ということを考えて選びました。パソコンの画面の中だけで成り立っているのではなく、私の感覚でいう"映画的"な映像、暗い空間のなかで、大きく投影された映像が、今現在、どういう形でありうるのか。また、今の時点における"experimental"がありうるとしたらどういうものなのか。ということを考えました。
僕自身が気になった作品の一つに、『チケット売り場の桜井さん』があります。光と影、あるいは影絵のような、映画のオリジンを感じさせる映像でしたし、スタイルとして完成されていながら、切迫したような奇妙な緊迫感があって印象に残りました。また、『TAYUTA』は、シュールレアリスム的な枠組といっていいと思うんですけども、それよりも、小説と絵画、言葉とイメージなど、統合されないものどうしの対話、が印象に残っています。受賞に至らなかった作品でも、『中村三郎上等兵』『リヴィング・イン・ザ・ボックス-スクエア- 』など、記憶に留まる作品がいろいろありました。ありがとうございました。

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